あそこ

ブラウザのウィンドウの、あれは何と言ふのでせうか、あそこにネタを仕込むのは、やはり楽しいのでせうか。あそこつてどこだよ。ええと、その、つまり、HTML で言ふところの title 要素であります。

あ、いや、ネタを仕込む側(雑文書きの側)の視点から見ては駄目です。反省。大事なのは受け手(雑文読みの側)です。雑文を読んでて、あそこ(どこだよ)にネタが仕込まれてゐると、やはり楽しいのでせうか。

くそ真面目な話をすると、あそこ(だからどこだよ)は→title 要素と呼ばれるところで、文章の内容を端的に記述すべきところであります。しかも「直リンクでページに飛んできた読者にも内容がわかるやうにしろ」と云ふ注文もつけられてゐます。アクセシビリティとかバリアフリーとか、さういつた観点に立つと、非常に重要な要素であります。

まあでも実際はそれほど厳密な運用が行はれてゐるわけではありません。無理ですそんな難しいこと。あ、いや、難しくはないんだけど。あたふた。まあともかく、大抵は、本文の見出しと同じ内容にしとけば大丈夫です。ともかく、あそこ(どこなんだよツ)は、title 要素は、さういふところなのであります。さういふ風に使はないと、アクセシビリティが低下してバリアフリーぢやなくなつてしまふのです。

で、話を戻します。あそこ(どこツ? どこなのツ!)に文章の主旨と違ふ文字列を書くのは、つまりネタを仕込むのは、あんまりよろしくないことだと言はざるを得ないのであります。どちらかと言ふと、「弱きをくじいてしまつてゐる」状態なのであります。どちらかと言ふと、あそこ(ええい、どこなんだよツ)は反則なのです。

確かに、あそこ(いい加減はつきりしろよ)は、小ネタを仕込むには絶好の場所だと思ひます。それはわかります。確かに、あそこ(そろそろ何とかしろよ)に絶妙のネタがあると、思はず笑つてしまひます。

でも、少し考へてみてください。あなたは、ネタを仕込める場所があつたら、どこにでも節操もなくネタを仕込むのでせうか。

たとえば画像を使つたネタ、といふのも考へることができます。かなり洒落たことができさうです。実際に、サイトによつては、かなり洒落たことをしてゐます。画像はなかなか面白いです。

でも、多くの雑文書きの人は、さういふ風に画像にネタを仕込んだりはしません。そもそも画像を使ふこと自体を避けます。何故でせう。そこには、何かしらの主義主張があるのではないでせうか。

画像を使ふことは反則ではありません。反則ではないことを自分から禁じてしまふほどの強い主義主張が、雑文書きにはあるのだと思ひます。それほど強い主義主張の中に、どうして「反則をしない」と云ふ項目が含まれないのでせう。繰り返しますが、あそこ(どこなんぢやツ!)にネタを仕込むのは、軽微とはいへ、反則なのです。

あなたは、なぜ、あそこ(どこぢやどこぢや)にネタを仕込むのですか?

「だつて HTML の仕様なんて難しすぎてわからないもん」

なるほどたしかに。